高圧電流に耐えうるボルトとナットが欲しい。
電力会社や鉄道事業などでは高圧電流を使用するため、金属製のボルト・ナットでは電気絶縁性を保つことができません。そこで当社に依頼があったのが、電気絶縁性に優れていて耐久性もあるボルト・ナットの開発。私たちは、ガラス繊維と熱硬化性樹脂を組み合わせることにより高機能のFRP素材を生み出すとともに、繊維束の周囲をさらに繊維で補強することにより、ネジ山を切削しても強度が落ちない造形を可能にしました。
こうして誕生したボルト・ナットは、低電圧から高電圧まで広い範囲の電気絶縁性を発揮し、変圧器や配電盤、遮断機、車両連結器といったさまざまな用途で使われています。また、優れた耐食性や断熱性も有しているので水処理プラントや水道管、薬品タンク、浄化槽といった設備関連はもちろん、液化ガスプラントや冷蔵倉庫、冷凍装置など断熱性が求められる機器など、幅広い産業分野でその機能性を発揮しています。
細かい部分を磨きたい。
樹脂成型や金属のパーツ作りに必要不可欠となる鋳型・金型は、モノづくり大国である日本が世界に誇れる技術。その表面の細かな部分や曲線部分をミクロン単位で磨くための砥石が欲しいとの依頼がありました。この課題解決に挑んだのが、当社のFRP素材による研磨用砥石の開発です。私たちはアルミナ繊維やガラス繊維などの素材を研究し、今までになかった高強度でありながら弾力性に富むファイバー砥石を開発。研磨作業の効率性アップや細部研磨の完成度の高さに大きく貢献しています。
当社が開発したファイバー砥石は、その後多くのバリエーションを増やすとともに、研磨や切削といった分野に新たな可能性を広げ、多くのポリッシングツールを誕生させる契機にもなりました。私たちは、このような課題解決力が取引先企業に役立つのみならず、大きな市場を創造し産業界にも貢献できることを確信しています。